成長性 - A
腐ってもヴァルナマンなんで、先月の古戦場は50,000位に入るくらいには頑張ったんだ。
EX+は1召喚0ポチでサクサクいけたし、95も100もオート放置でいけたから、延々とクリックしたりせずに済んだのも大きかった。
最小限の苦労で最大限の報酬が得られたのはありがたいね。
まあ本戦は一勝しかできなかったのめちゃくちゃ不満なんだけど。
で、いっつも古戦場って新しいアルバム探しながら走るのね。
ザ・リーサルウェポンズも踊 Foot Worksも田高健太郎も(あっ田高の記事まだ書いてねえや)古戦場のBGMとして知ったから、自分の中ではそれなりに恒例にしてるつもりだった。
けど今回はなんかずーーっと、先月出たアルバムを聴いちゃってたんだよね。
Howdy!! We are ACO Touches the Walls ?STAR SERIES? 。
リリースは6/12なんだけど、それからやたらリピートしちゃってるんだよね。なんなら八月になった今でもまだ聴いてる。
その間にも、sequential souls に The Secret Life of VIDEOTAPEMUSIC にとビビっと来るものはあったんだけど、気がついたらまた戻ってるわけ。
ヤバい。
ヤバいからもう、何がいいのかハッキリさせとこうと思う。
QUIZMASTERもいいんだよ
『STAR SERIES』の不思議なところは、七枚目のオリジナルアルバム『QUIZMASTER』と同時に(配信は一週間遅れだけど)世に出てること。
商売的に考えたら、『QUIZMASTER』が注目されて『STER SERIES』は売れなくなりそうに思っちゃう。なにせ『STER SERIES』は『QUIZMASTER』の全曲をアコースティックアレンジした(ヤツに二枚のEPの曲も加えた)ものだから。
というか、『STER SERIES』は円盤単体で出してないんだから、そもそも売る気がないんじゃないかとさえ思う。『QUIZMASTER』に同梱してるって形で、モノとしては名前すら無いような有様だしね。
なんだけど、単に楽器を変えただけにとどまらない音楽的な遊びがあって、本当に何回でも聴けちゃう。そこが本当にすごい。
繰り返しになるけど『QUIZMASTER』自体もすごくいい出来だし、高く評価してることに変わりはない。そっちもかなり聴きこんだし、めちゃくちゃ気に入ってる。NICO Touches the WallsがNICO Touches the Wallsらしさを忘れることなく、かといって慢心して変化をやめることもなく、そのまままっすぐ正当に進んでできた音って感じがしっかり出てる。けっこうとんでもないことをやってると思う。
なんだけど、それでも、一か月経ってなお親しんでるのはACO Touches the Wallsの方、ってこと。本当にいい味出してるんだよ。
Unplugged
いったんここでちょっと自分語りを挟ませて欲しい。っていうのは、おれが不当に(?)アコースティックを贔屓してる可能性もあるからだ。
おれはAlice in Chainsが好きだ。90年代に活躍したグランジバンドで、英語圏ではかなりの知名度がある。NIrvanaと同期で、まあそりゃカート・コバーンに比べちゃったらちょっとね、ちょ~~~~~っと人気も劣るわけだけど、でもおれはすごく好きなんだ。
NirvanaとかSoundgardenがなんかこう「は? だり~~~」みたいなロックなのに比べると、普段の & ボーカルが替わったAlice in Chainsはなんともメタルっぽい感が否めない。共通して「は? だり~~~」感はあって、同期っぽさもあるのがミソなんだけどね。
で、だよ。Alice in Chainsががいったい何なのかってーと、こいつらアコースティックでもめちゃくちゃ "やり手" なんだよね。そこのギャップにね、もうガツーーーーンとくるわけ。
2ndのバリバリ感、3rdのダリダリ感を把握した後で、EPとUnpuggedを聴くとね、もうすごいよ。ズキュゥゥンってくる。そんな音出せるんかいワレェ!! って聞き惚れる。
2ndがハエのたかったステーキ(褒めてる)で3rdがハエのたかったアイスクリーム(褒めてる)なのに対して、アコースティックのこいつらはハエを閉じ込めた琥珀みたいな(褒めてる)。
真っ当に生きることを放棄したような感覚は土台に持ちながらも、自分たちの持ち味を的確に使い分けてるって言うのかなあ。泥に沈んで苦しんで死ぬか? ハチミツの海に沈んで死ぬか? みたいな違いをばちこり表現してるんだよね。奥さん知ってます? これがギャップ萌えですよ。
ちなみに20年くらい前にリードボーカルが亡くなって事実上の解散みたいになって、10年くらい前に別の人を加えて復活したんだけど、復活してからはアコースティックやる気配がない。やってみて欲しくはあるけどね。
洗練ってなんなのかよく知らんけど
で話を戻すとさ。おれのなかで重ねちゃってる可能性もあるわけよ。Alice in Chainsで知ってしまったアコースティックによるギャップ萌えと、NICOとACOのそれをさ。だからもしかしたら、「『STER SERIES』ありがとう!! マシパネエよ!!!!」ってのはすごい贔屓なバイアスのかかった感想かもしれないわけ。
なんだけどさ、その可能性があると判った上でも、やっぱり好きなもんは好きなんだよ。『STER SERIES』は絶対スゴいと思う。
こんなこと言ったらファンからの反感を買うかもしんないし、なんならブログの趣旨にも反するんだけどさ、2015年の『Howdy!!』はそんなに褒められたもんじゃないと思ってるんだよ。それまでとのギャップも感じられないし、発展途上感がスゴい。荒っぽいというか、実験の域を出ないなって感想しか出なかった。洗練されてないし、ヒット曲のアレンジ品で雑に稼ごうとしただけか? とさえ思ったんだよ。
『STER SERIES』はそれがない。
シングルが含まれてないから、単体で売ってないから、商魂がどうって考えにくいのもあるかもしれない。けどそれだけじゃない気がしてるんだ。純粋に、「四年で音楽性をブチ広げました」っていうのを見せてくれてるとしか考えられない。
実際、『OYSTER』『TWISTER』『QUIZMASTER』を知らなくても「萌え」られるとこまで来てるよ。変に電子音を使わない、音の数を増やさない、"質で勝負" って心意気を十分に見せてくれてる。その心意気に、そして結果に、おれの耳はむちゃくちゃ感動してる。称賛して、何度もリピートしてる。
よくここまで成長してくれたなって拍手送りたいよ、おれは。
世間的には『QUIZMASTER』スゲエって評価が固まってるのも知ってる。そっちも本当にいいアルバムだと思う。
でも『STER SERIES』ももっと評価されて欲しいし、これからもACOとして精進を続けて欲しいなって願わずにはいられないんだ。Alice in Chainsが数年で頓挫してしまったことを、これからもっと続けてくれたら、こんなに嬉しいことはないもの。なんなら超えられるんじゃないかってくらいいい、2019年になって届けてくれたからね。
売れるかはわからないけど、頑張ってくれACO Touches the Walls。
ありがとうACO Touches the Walls。